2020年9月8日火曜日

「1=2?」 2年 林幸多郎


「1=2?」 法学部法律学科 2年 林幸多郎 (サガン鳥栖U-18)

今回部員ブログを担当致します。
法学部法律学科2年の林幸多郎です。


 明治大学体育会サッカー部に入部してから約1年半が経った。私も残り数か月で二十歳だ。ところで「ジャネーの法則」というのを聞いたことがあるだろうか。簡単に言えば、「主観的な時間の流れは年少者ほど長く、年長者ほど短い」というものである。このジャネーの法則によると、人生を80年とした時、20歳までの体感時間と20歳から80歳までの体感時間はほとんど変わらないと言われている。つまり、20歳は人生の折り返し地点なのだ。残りの人生が半分しかないと言われるとすごく焦りを感じる。これまでの時間で無駄にした瞬間はなかっただろうか、果たして自分は「正しい」道を歩んでいるのだろうか・・・

 そもそも「正しい」とはどういうことだろう。人の為に何かをすることが正しいのか、人の言うことを素直に聞くことが正しいのか。
 ここで一度、次の証明を見ていただきたい。


b = a
とする。この両辺に a を足すと
a + b = 2a
両辺から 2b を引くと
a - b = 2a - 2b
(a - b) = 2(a - b)
両辺を (a - b) で割ると
1 = 2


 これは中高で習う数学の証明の形の一つである。しかし、これは 1=2 を証明している。
 
 そんなはずはない!この証明は間違っている!

 ほとんどの人がそう思うだろう。しかし、この証明の間違いを指摘出来る人はどれほどいるのだろうか。確かにこの証明には数学上のあるルールを無視した欠点がある(詳しくは調べてみて下さい)。しかし、それを知らない人がこの証明を見ると 1=2 が証明されたことに驚き、自分の中の常識を疑ってしまうだろう。物事の正誤を判断するにはある程度の知識と経験が必要である。また、人から聞いたこと、テレビで見たもの、ましてや自分の目で見たものでさえ鵜呑みにしてしまうのは非常に危険だ。たとえどんなに多くの人が「答えはAだ」と思っていても必ず「Bではないか」と感じている人が存在する。だからこそ、一方を「正しい」と言い切るのは難しい。
 しかしながら、自分の考えに相反する答えを受け入れろと言っても、これまでの経験で積み重ねてきた自分の常識から逸脱した事実を受け入れることは思っている以上に簡単なことではない。人は自分の行動、考え方が否定された時に自分の都合の良い理由を並べて正当化しようとする。これは人間の防衛本能であるからだ。

では、「正しい」答えとは何か、何をもってその行動が「正しい」と言えるのか、何が間違っていないことを証明するのか・・・


 残念ながら、私も未だにその答えは出せていない。そもそも「正しい」ことなんて何一つないのかもしれない。その概念は主観的なものであり、絶対的な「正しい」という概念は存在しないのではないだろうか。
 ただ、今自分に出来ることは、色んなことを経験し、多くの知識を蓄え、物事を見極める判断材料を増やすことである。そして、自分が選んだ道(正しいと信じる道)を愚直に進んでいく、それだけだ。結局のところ行動を起こすのは自分で、正しかったかどうかを判断するのも将来の自分である。私が目指している夢や将来像は 1=2 が本当に証明されるほど、考えられないものかも知れない。でも、その目標までたどり着く過程(証明方法)があると信じて今に全力を尽くしたい。

 長くなりましたが、最後まで読んでいただきありがとうございました。未だコロナウイルスの影響により不自由な日々が続いていますが、サッカーができる環境に感謝し、日々精進して参ります。今後とも明治大学体育会サッカー部の応援をよろしくお願い致します。


 次回の2年生部員ブログ担当は、北海道コンサドーレ札幌U-18出身の福田心之助です。抜群のスピードと無尽蔵のスタミナでサイドを制圧するサイドバックです。北海道の寒さに負けない熱い魂を持つ彼の部員ブログを是非楽しみにして下さい!

【過去の記事】
「言葉の力」 1年 林幸多郎

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